ミュージカル科の卒業試験の内容について、以前の記事でご紹介しました。
ここでは、卒業試験準備の体験談を詳しく書いてみました。
試験科目は大きく分けると、ミュージカル(主科)とその他の歌唱、ダンス、演技(副科)です。
今回は副科である、その他の歌唱、ダンス、演技の試験準備についてです。
・ダンス2曲
・演技2作品
主科ミュージカルの卒業試験準備の体験談については、以下の記事にまとめています⇩
【ウィーン留学】ミュージカル科の卒業試験準備の体験談(主科編)
加えて、卒業試験の一部である、
・提出物 / ディプロムファイル
の準備についてもご紹介します。
試験科目だけを見るととても膨大な量ですが、準備した過程を知ることで、一歩一歩こなしていけば辿りつけるゴールであることがお伝えできれば良いなと思います。
ミュージカル科の卒業試験のすべての内容については、以下の記事にまとめています⇩
【ミュージカル留学】卒業試験って何するの?(ディプロム試験)
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【ミュージカル副科の卒業試験準備①】オペレッタ / ジャズスタンダート各1曲
曲を決める
卒業試験の半年前くらいに探し始めました。
オペレッタ
・Meine Mama(オペレッタ「ヴィクトリアと軽騎兵」)
※言語はドイツ語
ジャズスタンダート
・Nice Work If You Can Get It(ジョージ・ガーシュウィン作曲)
※言語は英語
オペレッタの曲は、日本のテイストがある曲を選びました。
ジャズスタンダートは、私が比較的ダンスが得意だったので、踊りを取り入れられる曲を選びました。
リハーサル
リハーサルの流れは、基本的に主科のミュージカルのリハーサルと同じ流れです。
レッスンで指導を受ける
ヴォーカルレッスン、ヴォーカルコーチ(伴奏ピアニスト)の各レッスンで先生から指導を受けます。
先生と一緒にどのような演出にするかの大枠を決めて、詳細な振り付けやステージングのアイディアを自分で準備します。
演出とステージング
ジャズスタンダートにはタップダンスを取り入れることになったので、自分で振り付けを作ります。
オペレッタは、ヴォーカルレッスンで先生と決めた演出の流れに沿って、具体的なステージングを自分で整理していきます。
(どのタイミングでどう動くか)
自主稽古
大まかな演出の流れにそって自分で作った振り付けや、ステージングを練習します。
ここからは、自主稽古のために広めのスペースが必要になってくるので、授業がなく空いているスタジオを予約して、稽古場所を確保します。
ミュージカル実習の授業で指導を受ける
自主稽古を経て振り付けやステージングも含めて形になってきたら、ミュージカル実習の授業で先生の指導を受けます。
各ナンバーでこの流れを繰り返しながら、完成度を高めていきます。
衣装、小道具の用意
演出、ステージング、振り付けが固まってきたので、必要な衣装や小道具を用意します。
オペレッタには小道具として、日舞用の扇子を使いました。
日舞用の扇子は、ミュージカル、ダンス、オペレッタではアジア風の演出の際に結構使えます。
こちらで購入が難しいので、日本から持ってきておきました。
イメージに合う衣装を古着屋さん、中国人やトルコ人の方が経営しているような安価な衣料品屋さん、またはファストアファッションのお店を回って揃えました。
Humana はチェーンの古着屋さんで、安価で色々な服が売っています。
【ミュージカル副科の卒業試験準備②】ダンス2曲
ダンスジャンル、曲を決める
半年くらい前から、ジャンル、曲を考え始めました。
・ジャズダンス「Express」(クリスティーナ・アギレラ)/ 自分 + ダンサー3名での群舞
・モダンジャズ「I’m kissing you」(デズリー)/ ソロ
振付を作る
振付は、先生や先輩、後輩などに作ってもらってもOKですが、私は自分で作りました。
時間は各曲2分30秒程度です。曲も自分で編集します。
振付を作る際、広いスペースが必要になってくるので、授業がなく空いているスタジオを予約して、稽古場所を確保します。
助演を決める
試験の3ヶ月前くらいに決めました。
ジャスダンスの助演3名は、ミュージカルの「ミス・サイゴン」の助演3名にお願いしました。
なるべく助演メンバーの人数は少ないほうが、リハーサルスケジュールを組みやすいです。
同じメンバーにお願いして、大所帯にならないようにします。
踊りは2曲ともソロでもOKです。
稽古のやりやすさを考えると、ソロの方がスケジュール調整をしなくて良いので楽ですが、
・ソロと群舞にわけた方が振付を作る際、バリエーションが出来て作りやすい。
という点で私は1曲を群舞にしました。
リハーサル
助演に振写し
振付が完成したら、助演メンバーに振写しをします。
広いスペースが必要になってくるので、授業がなく空いているスタジオを予約して、稽古場所を確保します。
助演メンバーのスケジュールを合わせ、場所を確保し、振写しをします。
録画
頻繁に全員で練習することはできないので、各自復習できるように必ず録画します。
自主稽古
週1回程度、全員で20分ほど練習しました。
衣装に合わせて、本番はハイヒールで踊ります。稽古でも早めにハイヒールで練習するようにします。
踊りの先生に見てもらう
ヴォーカルのレッスンと違って、ダンスの授業はグループレッスンなので、授業中に指導をもらうことができません。
ダンスの先生に相談して、授業前後に少し時間をもらい、見ていただきました。
振付の大幅な直しや、指導に時間がかかる場合には、別途プライベートレッスンとして見てもらいます。
週1回の自主稽古 ⇨ 先生からのアドバイス を繰り返して完成度を高めていきます。
衣装の用意
振付けが固まったので、衣装を用意します。
タイツ、靴なども含めて、なるべく各自が持っているものを使い、どうしても必要な衣装だけ購入しました。
人数分の衣装を負担しないといけないので、激安店を探します。
街中にポツポツとある、中国人の方が経営している衣料品屋さんは、当時の私にとって神的なお店でした😆
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【ミュージカル副科の卒業試験準備③】演技2作品
作品(役)を決める
試験の半年くらい前から、演技の先生と一緒に決め始めました。
・マダム・マオ(作者不明)
・女店主(カルロ・ゴルドーニ作)
※両方モノローグ
マダム・マオは刑務所に入った女性のモノローグでシリアスなもの、女店主はテンポの良い明るい喜劇です。
演技の2作品は、2人以上でのディアロークでもモノローグでもOKです。
私は準備に時間がかかるので、自分のペースで練習できるモノローグを選びました。
リハーサル
演技は個人レッスンで、私の課題は両方モノローグだったので、毎週の授業内で先生から指導してもらいました。
自主練習では、常に自分の声を録音して聞き取りにくいドイツ語がないか、チェックしながら練習を重ねました。
衣装の用意
マダム・マオ用の囚人用の衣装は、演技の先生からお借りしました。
女店主の衣装は、オーストリアの民族衣装であるディルンドルが必要でした。
またもや古着屋さんで格安でゲットしました😊
オーストリアの民族衣装、ディルンドルはこんな感じの服です。
【ミュージカル副科の卒業試験準備④】口頭試験 / 提出物
口頭試験 / ミュージカル史
卒業試験を受けるセメスターに入ったら、学校からミュージカル史学習用のDVDを借りてきます。
見ながら内容を整理して、メモを作りながら、自主学習します。
ディレクターが口頭試験をするので、試験の日程をディレクターと相談して決めます。
DVDは、英語音声、ドイツ語字幕で3〜4時間の内容だったと思います。
この内容を整理して必要なポイントを暗記するのですが、これが私にはとても時間がかかって大変でした。
1セメスター先に卒業していたオーストリア人のエリに、重要なポイントを教えてもらいながら勉強して乗り切りました。
これは完全に、彼女の助けなしにはクリアできなかったと思います。
口頭試験での質問内容は、極めてシンプルなものばかりでした。
必要なポイントを勉強していれば答えられる内容で、無事に合格しました。
提出物 / ディプロムファイル
ディプロムファイルの内容は以下の感じです。
・ 各教科で師事した先生方のリスト
・ ディプロム試験の演目のリスト
・試験を受けるミュージカル作品のあらすじ
・試験のために準備したミュージカルナンバーの楽譜
・オペレッタ、ジャズスタンダードの楽譜
・演劇の台本
・ダンスの曲名、振付師などの情報
ディレクターにお願いすると、過去の卒業生のディプロムファイルを貸し出してくれます。
書き方はそれを真似して作りました。
これらの内容をまとめたものを、コピーショップに持って行って製本してもらいます。
コンビニがないウィーンでは、コピーしたい時にはたいていコピーショップか、郵便局に行きます。
ウィーンの街中にはコピーショップが結構あって、コピーや印刷の他、製本もやってくれます。
こんな感じのリングにお金をチャージします。
このリングをコピー機にの指定された場所に挿すとコピー機が使えます。
こんな感じでに出来上がったディプロムファイルは、ディレクターに提出します。
以上、ミュージカル科の卒業試験準備の体験談(副科編)をご紹介しました。
通しリハーサル、試験当日の経験談についてもこれから書いていこうと思います。
ミュージカル留学を考えているあなたの役に立ちますように。
【ウィーン留学】ミュージカル科の卒業試験準備の体験談(主科編)⇩
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ミュージカル留学の穴場 オーストリア・ウィーン!【体験談】⇩
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