【ウィーン留学】ミュージカル科の卒業試験準備の体験談(主科編)

ウィーン留学

 

ミュージカル科の卒業試験の内容について、以前の記事でご紹介しました。

ここでは、卒業試験準備の体験談を詳しく書いてみました。

 

試験科目は大きく分けると、ミュージカル、その他の歌唱、演技、ダンスです。

今回は主科であるミュージカルの卒業試験準備について書いています。

 

試験科目だけを見るととても膨大な量ですが、準備した過程を知ることで、一歩一歩こなしていけば辿りつけるゴールであることがお伝えできれば良いなと思います。

 

こちらの記事合わせてご覧いただくと、よりわかりやすいかと思います⇩
【ミュージカル留学】卒業試験って何するの?(ディプロム試験)

 

 

スポンサーリンク

 

 

【ミュージカルの卒業試験準備①】試験のパートナーを決める

ミュージカル科の卒業試験試験は2人1組で行われます。
一緒に試験を受けるパートナーを見つけなければなりません。

私が入学当初、最も心配していた卒業試験のパートナー探しですが、救世主が現れました😭

私の次のセメスターに入学してきたオランタ人のラシェルは、オランダでミュージカル科を卒業してからウィーンにやってきました。

そのため、私と同じタイミングで卒業試験を受けることとなり、さらに同じヴォーカルの先生についていたこともあり、晴れて彼女とパートナーになることになりました。

 

進んでみると、道は開けるものですね😊

 

 

【ミュージカルの卒業試験準備②】演目(役)を決める

卒業試験の1年前くらいから、卒業試験で取り組む演目(役)を決めていきます。

演目(役)決めのポイント

・自分のタイプのキャラクターであり、今後演じていきたい役である
・その役で求められる歌、踊りなどが、自分の長所を生かすものである
・多すぎない曲数

 

上記を考慮して、私は以下の演目(役)を選びました。

 

主役の演目

・キム(ミュージカル「ミス・サイゴン」)
・コンスタンツェ(ミュージカル「モーツァルト」)

※どちらも言語はドイツ語

脇役の演目

・小夜子(ミュージカル「ユタと不思議な仲間達」)
※言語は日本語

 

在学中、私はミュージカル科で唯一のアジア人でした。

アジア人の役は多くの場合、やはりアジア人の見た目をもった人が演じることになります。
数少ないアジア人が主役のミュージカルである「ミス・サイゴン」は、まさに私が挑戦すべき演目でした。

 

ミヒャエル・クンツェ氏とシルヴェスター・リーヴァイ氏のミュージカル作品がきっかけとなって、私はウィーンにミュージカル留学しました。

「モーツァルト」は2人の代表的なミュージカル作品であり、私のヴォーカルの先生は、「モーツァルト」ヴァルトシュテッテン男爵夫人のオリジナルウィーンキャストです。

大好きな「モーツァルト」を2作品目に選びました。

 

また、「モーツァルト」のコンスタンツェ役は、主役ではありますが、曲目が少ないことも選んだ理由のひとつです。

卒業試験のミュージカル作品は、選んだ役のすべての曲目を準備する必要があります。

パートナー探し、演出、小道具、衣装、リハーサル日程など、1曲増えるだけで大変な労力です。

 

自分がドイツ語で歌って演じるだけでも十分な課題なのに、その他の準備、当然相手役の衣装や小道具のことも管理しなければなりません。

また、アンサンブルメンバーが増えれば、それだけリハーサルのスケジュールを組むのも大変になっていきます。

このことを踏まえると、曲数が多くないミュージカル作品を選ぶことも、私にとっては特に重要でした。

 

脇役の作品は言語が自由だったので、思い切り日本のミュージカル作品を選んで負担を減らしました。

 

入学から2年でこの膨大な卒業試験すべてをドイツ語で、オーガナイズも含めて準備することは、かなりハードルの高いことでした。

入学当初、ヴォーカルコーチ(日本人の先生)からも、

「ミュージカル科の卒業試験は膨大な量だから、2年でそこまで行くのは大変すぎる。卒業時期を遅らせた方がいい。」

とアドバイスを頂いていました。

ところが、私のヴォーカルの先生やミュージカル科の主任の先生は、

「ミュージカルでは年齢が若いことも大切だから、2年で頑張って卒業して、オーディションを受けに行った方がいい」

ということでした。

 

そんなわけで、何としてでもこのタイミングで、卒業試験を乗り越えるしかなくなったわけです。

 

基本的には、作品内でその役が登場するナンバーはすべて準備し、試験では当日指定されたナンバーのみを行うことになります。

ソロやデュエットのような、その役にとって比重の大きなシーンが試験当日に当てられる可能性が高くなります。

登場時間が少なく、試験当日に当てられる可能性の低い曲に関しては、ミュージカル科の主任の先生に相談して、予めカットさせてもらえないかお願いにいきました。

時間がかかりすぎて、私のスピードでは準備しきれないと思ったからです。

 

幸い何曲かのカットを認めてもらうことができて、

・ソロ4曲
・デュエット4曲
・アンサンブル曲1曲

合計9曲を準備することになりました。

 

 

【ミュージカルの卒業試験準備③】助演メンバーを決める

曲目が決定したので、デュエットの相手役、アンサンブル曲のメンバーを決めていきます。

これはだいたい試験の半年くらい前です。

同時期に卒業試験を控えている学生はもちろん時間がないので、後輩にお願いすることになります。

助演をお願いする後輩たちは、自分たちの授業や課題に加えて、助演のための授業や練習に参加することになります。

準備や時間の負担がかかります。


お願いしたい演目をしっかり演じてもらえることも大切ですが、自主稽古などの時間も多いので、時間や約束を守ってくれる信頼できる仲間を集めることが特に重要
でした。

 

「ミス・サイゴン」の女性アンサンブル

アンサンブル曲のメンバーは女性3名、ジャズダンスの授業を一緒に受けていたクラスメイトにお願いしました。
いつも一緒に踊りのクラスを受けている、信頼できる仲間だったので、すぐに決まりました。

その後も、多くの場面で力になってくれたり、助けてくれた仲間です。

 

 

「ミス・サイゴン」のクリス役

女性メンバーはすぐに決まったのですが、大変なのはデュエットのパートナーです。

ミュージカル科の男女比率は、8対2くらいで女性が多く、男性がとても少ないです。

他の卒業試験を受けるメンバーも、同様に助演メンバーを探していますから、後輩の男性陣はいくつもの助演を抱えることになってしまい、時間を合わせられる相手がなかなか見つかりませんでした。

 

新入生の中にとても歌の上手な南アフリカ出身の男性がいて、彼にお願いできることになり、一緒に練習を始めました。

順調に進んでいたと思われたところで、彼が急遽学校を休学することになってしまい、パートナー探しが振り出しに戻ってしまいました。
(彼がミュージカルのオーディションに合格し、出演のために休学することになってしまったからです。)

 

次にお願いしたオーストリア人の男性は、約束した練習スケジュールの変更が多くて、少し大変だなと、思いながらも何とか進めていました。

歌は上手なのですが、彼は私の他の助演メンバーと相性が悪く、結局、またパートナーを探し直すことになってしまいました…

 

3度目の正直でようやくパートナーが決まりました。
ドイツ人の彼は、それまでの2人に比べて、歌の練習に少し時間がかかりました。
しかし信頼できる人だったので、その後はスムーズに進めることができました。

 

 

「モーツァルト」のモーツァルト役

在学中、何かとよく助けてくれていたオーストリア人のハネスがやてくれることになっていました。
ハネスの助演は一番最初に決まっていて、練習も早くから始めていました。

ところが、彼はこのころから劇場で出演の機会が増えていて、卒試と劇場の仕事の両立が困難になってしまいました。

またもやパートナー変更を余儀なくされたのですが、すぐにオーストリア人のパートナーが決まってことなきを得ました。

 

 

 

スポンサーリンク

 

 

【ミュージカルの卒業試験準備④】リハーサル

助演メンバーと合わせ

必要な曲目の楽譜を助演メンバーに渡して、各自練習をしてもらいます。
その後、カラオケ音源などを使って、自分たちで時間を合わせて音楽練習をします。

カラオケ音源は予め、ヴォーカルコーチ(伴奏ピアニスト)のレッスンの際に、卒業試験で必要なすべての曲の伴奏を録音させてもらって準備しておきます。

 

ヴォーカルレッスンで指導を受ける

音楽的に形になったら、助演メンバーにもヴォーカルのレッスンに同行してもらい、先生から指導を受けます。
先生と一緒にどのような演出にするかの大枠を決めて、詳細な振り付けやステージングのアイディアを自分で準備します。

 

演出とステージング

「ミス・サイゴン」のアンサンブル曲には踊りの要素を取り入れることになったので、自分で振り付けを作ります。

また、その他のデュエット曲では、演出の流れに沿って、具体的なステージングを自分で整理していきます。
(自分の役、そして相手の役がどのタイミングでどう動くか)

 

「ミス・サイゴン」のタム役

タムは私の演じる主人公キムの3歳の息子です。
タムは歌もセリフもなかったので、人形などを使って “いるテイ” で演じたらいいかな、と考えていました。

ところが演出を考えていく中で、ヴォーカルの先生から、
「人形じゃつまらないから子供を見つけたほうがいい。」
とアドバイスを受けました。

そこで急遽、助演の子供探しをすることになりました😂

セリフなどがないと言っても、一緒に舞台に立てる年齢ということで、5歳くらいの男の子を探すことになりました。

ベビーシッターをしている友人に相談したところ、4歳の男の子が見つかり、ご両親も乗り気になってくださいました。
ご両親同伴で学校に来ていただき、一度一緒に練習してみたものの、本人がどうふるまっていいものか困惑している様子で全くうまくいきませんでした…

やはり4歳では難しいのではないか、ということで、もう少し大きな子を探すことにしました。

私がオーストリアで最初の1ヶ月、間借りをしていたご家族の末っ子が8歳で、彼にお願いすることになりました。

お母さんやお姉ちゃんの協力のもと、数回の稽古、通しリハーサル、試験当日、そして最後のディプロムショーまで、演じきってくきれました。

 

 

自主稽古

大まかな演出の流れにそって自分で作った振り付けや、ステージングを助演メンバーと実際に合わせてみます。

ここからは、自主稽古のために広めのスペースが必要になってくるので、授業がなく空いているスタジオを予約して、稽古場所を確保します。

助演メンバーのスケジュールを合わせ、場所を確保し、自主稽古をします。

 

ミュージカル実習の授業で指導を受ける

自主稽古を経て振り付けやステージングも含めて形になってきたら、助演メンバーに同行してもらい、ミュージカル実習の授業で先生の指導を受けます。

 

ここで指導受けた内容を整理 ⇨ メンバーと自主稽古 ⇨ 授業で先生から指導をもらう

 

各ナンバーでこの流れを繰り返しながら、完成度を高めていきます。

 

ミュージカル科の授業内容については、以下の記事にまとめています

 

 

【ミュージカル科の卒業試験準備⑤】衣装、小道具の用意

演出、ステージング、振り付けが固まってきたので、必要な衣装や小道具、大道具を用意します。

大道具は学校から借りれるので問題ないですが、衣装や小道具は自分で用意します。

 

イメージに合う衣装を友人や同級生、先生からお借りしたり、古着屋さんや、中国人やトルコ人の方が経営しているような安価な衣料品屋さんを回って揃えました。

Humana はチェーンの古着屋さんで、安価で色々な服が売っています。

 

小道具は雑貨屋さんで購入したものに手を加えて、自作したりしました。

 

「ミス・サイゴン」のキムの衣装には、どうしてもベトナムの民族衣装のアオザイが必要でした。

しかしながら、当時ウィーンで見つけることができなかったので、一時帰国した際に、東京のアオザイ店で購入しました。

 

 

「ユタと不思議な仲間たち」の衣装として、日本から着物一式も持ち帰りました。

 

ウィーンでは、授業や練習の合間にあっちへ行ったりこっちへ行ったり…
なんとか全て準備することができました。

 

 

大道具、小道具、衣装付きで練習し、再び授業内で先生から指導をもらいます。
合わない小道具や衣装は修正して、通しリハーサルに向けて準備します。

※通しリハーサル(Hauptprobe)とは、試験の1週間前ほどに行われる本番を想定したリハーサルです。
歌、演技、ミュージカル実習の担当の先生方から、卒業試験に向けて、最後の指導をもらいます。

 

 

演技、ダンスの卒業試験準備や通しリハーサル、試験当日の経験談についてもこれから書いていこうと思います。

 

 

 

ミュージカル留学を考えているあなたの役に立ちますように。

 

 

ウィーン・ミュージカル留学については以下の記事にまとめています

 

スポンサーリンク

 

タイトルとURLをコピーしました