これまで、
について記事を書いてきました。
今回は、最後の通し稽古(Hauptprobe)と卒業試験当日の体験談です。
ウィーン・ミュージカル留学については以下にまとめています⇩
ミュージカル留学の穴場 オーストリア・ウィーン!【体験談】
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【ミュージカル科卒業試験準備】通し稽古と試験の日程を決める
卒業のセメスターに入り試験のパートナーが決まったら、ミュージカル科主任の先生と試験の日程を決めます。
試験日の約1週間前に行う通し稽古(Hauptprobe)の日程も合わせて相談します。
決定した日程を各教科担当の先生方へ連絡し、承認してもらいます。
先生方の全員がOKであれば、その日程を助演メンバーに連絡します。
【ミュージカル科卒業試験準備】通し稽古の準備
照明指示表の作成 / 打ち合わせ
下記を記載した照明指示表を作ります。
・キューの指示
“キューの指示” は、その曲がどのように始まるのかを示すもので、
例)
照明: 暗転 ⇨ 演者: 板付 ⇨ 音楽: スタート ⇨ 照明: オン
といったように、照明さんがをどのタイミンで照明を操作するか、を示したものです。
通し稽古と試験当日に、照明の操作をしてくれる助っ人を1人、あらかじめお願いしておきます。
助っ人さんにこの指示表を渡して、事前に流れを説明しておきます。
同様の “キューの指示” は、伴奏ピアニストの先生の楽譜にも記載しておきます。
(ピアニストがどのタイミングで弾き始めるか、わかるようにしておきます。)
ダンスナンバーの音源準備 / 打ち合わせ
ダンス試験用の音源を用意し、音出しをしてくれる助っ人をお願いしておきます。
上記の照明をお願いした助っ人さんに一緒にお願いしました。
どのタイミングで音出しをするのか、あらかじめ流れを伝えておきます。
転換表の作成 / 打ち合わせ
各ナンバーに必要な小道具、大道具の舞台上のセッティング位置を表にしておきます。
演者本人が、舞台セッティングを自分ですることがないように、助演メンバーに転換をお願いしておきます。
セッティングミスや小道具の置き忘れが起きると、稽古してきた演出、演技が一貫の終わりになってしまいます。
“誰が何をどこへ動かすのか” をあらかじめ決めて、お願いしておきます。
早替えの準備
各ナンバーの衣装はまとめて、すぐに着替えられるように準備します。
試験パートナーと交互に歌って試験が進んで行くので、着替えににかけられる時間は3〜5分以内です。
スムーズに着替えられるように、あらかじめ準備しておきます。
(ボタンをホックに変えるなど、脱着が簡単になる工夫をする)
助けが必要な場合には、あらかじめお願いしておきます。
私は着物を衣装に選んだナンバーがあったので、スムーズに帯が結べるように練習しました。
【ミュージカル科卒業試験準備】通し稽古当日
会場準備
先生方が座る椅子と机を用意し、ダメだしを書いてもらうためのノートを置いておきます。
また、通し稽古は4時間程度に及ぶので、先生方用の飲み物、お茶菓子も用意しました。
楽屋準備
早着替えやメイクなどがやりやすいように、楽屋をセッティングします。
転換表を舞台袖に貼り、一目で大道具、小道具のセッティング位置がわかるようにしておきます。
必要な小道具・大道具を舞台袖に準備しておきます。
ウォーミングアップ
発声やストレッチなどのウォーミングアップをします。
スタンバイ
メイクをして、希望曲の衣装でスタンバイします。
通し稽古開始
希望曲から試験がスタートします。
それ以降は、1曲終わるごとに、次の曲が先生から指示されます。
試験パートナーが歌っている間に、次の曲の準備をし、自分と試験パートナーが交互に歌いながら、稽古が進んでいきます。
大きな問題がない限りは、ダメだしはノートに書かれるのみで、演奏が止められることはありません。
以下の順番で、試験課題を全て通しでやっていきます。
・ミュージカル(主役)8曲
・ミュージカル(脇役)1曲
・オペレッタ1曲
・ジャズスタンダード1曲
・演技2作品
・ダンス2作品
すべての演目が終了したら、先生方からダメ出しをもらいます。
細かくは、後日の授業内で修正していきます。
会場、楽屋を現状復帰して通し稽古は終了です。
ここまで来たら、後は試験で同じことをもう一度するだけ!といった感じです。
正直、この通し稽古までが一番大変です。
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【ミュージカル科卒業試験準備】試験当日
会場準備
通し稽古の際と同様に会場準備をします。
試験日はこれに加えて、助演の仲間たちへの簡単なケータリングテーブルを用意します。
ジュースや炭酸水などの飲み物、お茶菓子などを用意しました。
また、試験終了後、先生方や助演のみんなで簡単な乾杯をするのが慣例となっています。
そのため、シャンパンなども用意しておきます。(試験に落ちる予定はありません😂)
助演メンバーは、長期に渡って自主稽古に参加、授業への同行してくれました。
それに加えて、円滑な稽古や試験運営のために様々な面でサポートしてくれました。
そのお礼として、卒業生は簡単なプレゼントなどを用意していました。
私も助演メンバーと先生方に、個人の名前入りの箸をプレゼントしました。
楽屋準備 / ウォーミングアップ / スタンバイ
通し稽古の際と同様に準備します。
試験開始
通し稽古と同様に、ミュージカル(主役)の希望曲から試験が始まります。
試験ではすべての曲は演奏せず、以下の流れで、試験官の先生から指定された曲のみを行いました。
・ミュージカル(主役)3〜4曲
・ミュージカル(脇役)1曲
・オペレッタ / ジャズスタンダード
どちらか1曲
・演技2作品
・ダンス2作品
試験当日は担当の先生方に加えて、ディレクターが試験官として同席します。
また、卒業試験の際にはエージェントの方が卒業生をスカウトしに来ることもあります。
私の試験日にもエージェントの方が見学に来ていました。
先生方はここから会議に入るので、試験結果が発表されるまで30分程度待ちました。
結果発表
先生方の会議が終わると、ディレクター室に呼ばれました。
結果は、歌、演技、ダンスすべてで最高点を頂き、最優秀賞で卒業試験に合格することができました😭㊗️
⇦一緒に試験を受けた、試験パートナーです😊
2年前には、全く想像できなかった結果にたどり着くことが出来ました。
また、試験を見学されていたエージェントの方が声をかけてくださって、幸運にも卒業後に所属できるエージェントをゲットしたのでした😆
留学1年目、私は自分のパフォーマンスやドイツ語、全てに自信がありませんでした。
自分のヴォーカルの先生に「卒業後、オーストリアで舞台に立ちたい」と伝えるまでに、すごく勇気がいりました。
オーストリアで挑戦することが許されたんだな、と自信が持てた瞬間であり、それまでの人生で1番嬉しかった瞬間でした。
ようやくスタートラインに立てた、といった感じです。
ひとまずこの日は用意したシャンパンで、先生方、助演みんなで乾杯です😊
片付け
会場を現状復帰して、試験は終了です。
これで晴れて学校は卒業となりました。
残すは、ディプロムショーのみとなりました。
ディプロムショーは、友達や家族、先輩や後輩にこれまでの成果を発表する場であり、ほとんどの卒業生が卒業試験の後にショーを行います。
このディプロムショーも試験パートナーと一緒に行いました。
校内外の小劇場を借りて、音響、照明、プログラムなど、すべて自分たちで用意します。
ミュージカル留学の締めくくり、ディプロムショーについてもまた記事を書こうと思います。
ミュージカル留学を考えているあなたの役に立ちますように。
※ウィーン音楽院(VIenna Konservatorium)ミュージカル科は、2016年よりAMP(International academy of music and performing arts Vienna)ミュージカル科となりました。授業カリキュラムが変更になっている部分もありますので、最新の詳細情報は問い合わせが必要です。
ウィーンのミュージカルが学べる学校については、こちらの記事にまとめています⇩
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歌って着替えて歌って着替えて、踊って着替えて…汗汗汗
といった感じで緊張も相まって、喉がカラカラ、試験の瞬間の記憶があまりありません😅
無事に最後のダンス2曲まで踊り終えると、長い緊張から解き放たれて、まだ結果も出ていないのに号泣してしまいました😅