【体験談】オーストリア公式ドイツ語試験 B2合格までの道のり

ウィーン留学

 

ドイツ語の勉強と聞くと、なんだか難しそうで大変そうな感じがしますよね。

ドイツ語圏への留学、就職、移住などを計画する方にとって、ドイツ語学習は向き合っていかなければならない課題です。

場合によっては、ビザの申請、大学入学や就活の際にドイツ語の能力証明を提出しなければならない場面もあると思います。

 

私はウィーンへのミュージカル留学を決めた翌月からドイツ語学校に通い始め、8ヶ月後にウィーンに出発しました。

ここでは私のドイツ語学習の流れや通っていた学校、受験した ÖSD(オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験 )についての体験談を紹介します。

 

 

ウィーン・ミュージカル留学については以下にまとめています⇩
ミュージカル留学の穴場 オーストリア・ウィーン!【体験談】

 

 

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ドイツ語のレベル分けと到達目標

ドイツ語のレベル分けと到達目標は以下のようになっています。

またドイツ語クラスでは、各レベルを更にふたつに分けて、A1-1、A1-2、B1-1、B1-2…というように学習していきます。

レベル 到達目標の目安
初級 A1

日常的表現、基本的な言い回しを理解し、相手がゆっくりはっきり話せば、簡単なやり取りができる。

A2 身の回りの事柄についての文章やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲でのやり取りができる。
中級 B1

仕事、学校などでの身近な話題について、標準的な話し方であれば、要点を理解できる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。 

B2 自分の専門分野では、抽象的な内容も含め、複雑な文章の要点を理解できる。ネイティブスピーカーとはお互いに緊張せず、普通にやり取りができるくらい流暢で自然。幅広い話題について 明確で詳細な文章を作ることができる。
上級 C1

いろいろな種類の高度で長い文章を理解、把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に自己表現ができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。

C2

聞いたり読んだりしたほぼ全てのことを容易に理解することができる。読み聞きした情報をまとめ、根拠や論点を再構築できる。自然で流暢かつ正確に自己表現ができる。

 

 

オーストリア公式ドイツ語試験 B2合格までの道のり

留学前 / 日本

A1-1 ~ B1-2(週2日 / 3時間)

ゲーテ・インスティチュート東京

 

ウィーンに留学しよう!と決めた翌月から、ゲーテ・インスティチュート東京の初級クラス(A1-1)に通い始めました。それからウィーンに出発するまでの約8ヶ月間、この学校に通いました。

ゲーテ・インスティチュートの先生方は、ほとんどがドイツ人です。初級だろうとなんだろうと、授業中はドイツ語のみ。ヒーヒーです。

 

埼玉の実家から1時間半かけて都内のゲーテまで通いました。
授業後にバイトに行って、ダンスと歌のレッスンをして、
電車の中で宿題して、夜中に帰る毎日でした。

肉体的にも精神的にもハードな日々でしたが、ドイツ語学校ではたくさんの仲間ができました😊

音楽家、画家、建築家、照明家、ダンサー、ドイツでの転職を目指すサラリーマンの方、結婚でドイツ移住の準備中の方など、目的は様々です。

クラスの終わりにみんなでご飯に行ったり、勉強したり、ドイツビールのイベントに行ったり…短い期間ではありましたが、濃厚な時間を過ごしました。

その後は、オーストリアやドイツで再会して、旅行に行ったり、お互いが住んでる街を案内したり。

みんな世界中に散っていって、それぞれの場所で頑張っています。

 

授業料は安くありませんが、日本語や英語で甘やかされることなく、信頼できるドイツ人の先生方が、時に厳しく、優しく、指導してくれました。

また、留学や移住、仕事でドイツに行く人など、具体的な目的と目標を持って集まっている受講生が多いので、情報交換をしたり、わからないところを教えあったりしました。

 

ドイツ語圏への留学、移住、就職などの明確な目標がある方には、本当にオススメな学校です😊

 

短期留学(受験準備) / オーストリア

A2-1 ~ A2-2(2ヶ月間、週5日 / 3時間)

ドキドキしながら、いよいよ現地の語学学校で勉強を始めます!

ウィーンの中心、シュテファン寺院近くの cultura wien のドイツ語クラスに入りました。
(現在は閉校してしまったようです😔)

クラスは月〜金の 9:00〜12:00 でした。
1時間半くらいで軽い休憩が入って、後半 また1時間ちょいで、合計3時間といった感じです。

日本では8ヶ月間ドイツ語を頑張ったものの、いざオーストリア人の先生と対面してみると、全然聞き取れないし、言葉が出てこない😭

日本では B1-2 まで修了してきたのですが、さらに下のクラス(A2-1)に入ることになりました。

先生はとても親切で、わかりやすく、クラス後にみんなで一緒にランチに行ったり、ドイツ語を話す機会がたくさんできました。

 

東京のゲーテでも授業は常にドイツ語のみだったので、割とスムーズにクラスに馴染んでいけました。

話すのと、聞き取りは必死でしたが、文法的には日本で学習を終えているクラスだったので、大パニックに陥ることはなく、快適に勉強することができました。

同じタイミングで日本から来た音楽留学生、メキシコ人の音楽家、ブラジル人の留学生、旦那さんの出張に同行していたブラジル人の奥さん、仕事できていたフランス人、交換留学生のアメリカ人グループなど…

お茶やご飯に行ったり、散歩に行ったり、ホームパーティーをしたり、クラブや居酒屋に行ったり、たくさんの時間を一緒に過ごしました。

私は特別英語ができるわけではなかったので、拙いながらもクラスメイトたちとは終始ドイツ語で会話していました。

日々ドイツ語を話すのが楽しくなっていきました😊

 

ÖSD(オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験 ) A2 

ウィーンでの A2 クラスを終えて、いよいよ初めてオーストリアの公式ドイツ語試験を受けます。

ÖSD は毎月ウィーン市内のいくつもの語学学校で実施されているので、公式サイトから会場を選んで、会場となる語学学校で直接申し込みをします。

受験料は100ユーロ前後だったと思います。

ÖSD 公式サイト⇩

 

この試験内容は、記述試験(読み、書き、聞き取り)75分と口頭試験10分です。
A2 試験では辞書の持ち込みは禁止です。90点満点中45点以上取れれば合格です。

 

試験の形式に慣れるために、公式の問題集で勉強するのがオススメです。
この本は Thalia などの本屋さんでも購入できます。

 

この問題集には3、4回分の試験問題が入っていますが、 公式サイトで1回分が無料ダウンロードできます。

 

私はウィーン国立オペラ劇場の向かいにある iki というドイツ語学校で A2 の試験を受けました。

おそらく試験官となる先生の都合だったと思いますが、私の場合はまず記述試験を受けて、翌日に口頭試験を受けました。

この試験日に A2 試験を受験したのは私ひとりだったので、口頭試験のパートナー(会話をする相手)は試験官の先生でした。

2人の試験官が部屋にいて、1人が相手役、もう1人が見ているという感じです。

A2 試験では他にも受験生がいる場合には、おそらく受験生同士でパートナーになると思います。

“gut bestanden” で無事に合格できました😊


試験結果がもらえるのは約1ヶ月後なので、提出先に期限がある場合には余裕を持って受験した方がよいと思います。

 

 

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ミュージカル留学中(1年目) / オーストリア

B1-1 ~ B1-2(夜間クラス / 週2日 / 3時間)

cultura Wien / iki(途中から曜日の都合で学校を変えました)

 

本格的な留学がスタートし、昼間はミュージカル科の授業があるので、週2回ほど夜のクラスに通い始めました。

夜間のクラスは昼間のインテンシブクラスに比べると、受講生のレベルや勉強の仕方ににばらつきがある感じがしました。みんな仕事や学校の後に来ていて、夜21時くらいにクラスが終わると一目散に帰宅していきます。

できるのであればインテンシブクラスで集中的に勉強したほうが、習得スピードが圧倒的に早いかなと思いました。

 

この期間は、ミュージカル科の授業終わりにクタクタで夜ドイツ語クラスに出ていました。
毎回眠気との戦いで、いまいち集中できていませんでした…

音楽院ではオーストリア人の輪に入って会話をしようと試みますが、ネイティヴの日常会話についていけず、思うように話すことができません。

思うようにドイツ語が上達せずとにかく焦っていたので、何とか通い続けました。

そんな中、ウィーン大学の研究室に働きに来ていたポーランド人と交換留学生のスロバキア人のクラスメイトと仲良くなりました。週末にご飯やお茶に行ったり、旅行に行ったり、スロバキアのお家に泊まりに行ったりもしました😊


語学は、気持ち的な余裕と、遊びを伴って勉強するのが大事だなぁ、なんて思います。

 

 

ÖSD(オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験 ) B1 

夜間クラスで睡魔と戦いながら、何とか B1 クラスを終了し、B1 の試験を受けました。

ÖSD 公式サイト⇩

 

試験内容は基本的に A2 と同様ですが、筆記試験が165分、口頭試験が15分と少し長くなります。
辞書の持ち込みは禁止です。

会場や申し込み方法は A2 試験同様ですが、受験料は少し高くなって、120ユーロくらいだったと思います。

 

今回は受験前に、語学学校の先生と何度かプライベートレッスンで口頭試験の練習をしました。

口頭試験はパターンが決まっているので、流れを把握して、B1 レベルで求められる言い回しを使って話せるようにしておくのがよいです。この準備ができていれば、口頭試験のパートナーが誰であっても、自分のペースを守れると思います。

 

練習問題は A2 試験同様、公式サイトから1回分無料ダウンロードできます。

 

私は U1 Keplerplatz 駅近くの語学学校、DIALOGICA Europa Akademie Wienで受験しました。

今は変わっているかもしれませんが、当時は薄暗い雰囲気の学校で、大量の受験生が教室に詰め込まれている感じでした😅

試験官の先生は受験生全員をしっかり監督できておらず、受験生の一人が禁止されているにも関わらず、終始辞書を使っているのを見逃してしまっていました…

筆記試験に続いて行われた口頭試験では、受験生同士が会話のパートナーになりました。

私のパートナーはオーストリア在住10年以上で、ウィーンで看護士をされている方でした。

ドイツ語の証明書が必要になって受験したそうですが、ペラペラ話すのでドキドキしましたが、準備した通りに乗り切りました。

“gut bestanden” で無事に合格できました😊

 

 

ミュージカル留学中(2年目) / オーストリア

B2-1(夏休み / 週5回 / 3時間)

留学1年目が終わり夏休みに入ったので、週5日9:00~12:00のインテンシブクラスで B2-1 を受け始めました。

夏休み中で時間ができたことで、授業終わりにクラスメイトや先生とお茶に行ったり、学校の友達とダンスクラスを受けに行ったりしつつ、ゆとりを持って勉強できました。

前回の夜間クラスから、iki という学校に通い始めました。
この学校はどのクラスもある程度決まった授業の進め方をするので、先生によるクラスの良し悪しのばらつきが少ないです。授業料はやや高めですが、授業の質が良いです。

オペラ座の前という好立地で通いやすく、学校も明るくて、雰囲気もよいです。

iki

 

 

 

B2-2(週2~3回 / 2時間)

友達のオススメで Pizzera Sprachakademie という語学学校に通い始めました。


当時は新しい学校でまだ受講生が少なく、3人のグループで楽しく、びっちり勉強できました。

昼間のミュージカル科の授業の合間に通うことができたので、眠気と戦うこともなく集中して学ぶことができました。

この学校の主宰であるヨハンナは、人柄も教え方も本当に素晴らしく、常に明確で具体的な目標を立てて授業を進めてくれます。私はこの学校と彼女のお陰で、楽しくドイツ語力を上げることができました。

小さな学校なので当時は開講されているクラスが少なかったのですが、現在は増えているかもしれません。ぜひオススメしたい学校です。

 

Pizzera Sprachakademie

 

 

 

ÖSD(オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験 ) B2

B2-2 までのクラスを終了したので、B2 試験を受けます。
B2 試験では求められる語彙が増えるので、試験準備に今までより少し時間がかかりました。

ÖSD 公式サイト

 

記述試験(読み、書き、聞き取り)210分、口頭試験15~20分となります。
B2 試験では、母国語-ドイツ語の紙の辞書の持ち込みがOKになります。
あまり時間に余裕がないので、本当に必要なものだけ調べるといった感じです。

受験料はまた少し高くなって、160ユーロくらい払ったと思います。

 

これまでの試験対策と同様ですが、記述の作文、口頭試験ではB2 で求められる表現や言い回しを使うことが大事なので、決まったパターンを覚えて使えるように練習しました。

この時も試験前に何度か語学学校の先生とプライベートレッスンをしました。

練習問題は公式サイトから1回分無料ダウンロードできます。

 

私はマリアヒルファー通りにある Sprachenstudio Wien で受験しました。
私の他にも多くの B2 受験生がいました。

B2 の口頭試験では、会話のパートナーは試験官の先生になります。
1人がパートナー役、その他に2人試験官がいたと思います。

口頭試験は緊張しましたが、パートナーが試験官だったことで B1 試験の時のような変な緊張はなく話すことができました。

あまり優秀な成績ではありませんでしたが、”bestanden” で無事に合格しました。

 

留学スタートから B2 試験合格までちょうど2年でした。

 

ここ数年、求められるドイツ語のレベルが上がっている傾向にあり、ウィーン大学のバチュラー入学資格も B2 から C1 に引き上げられました。

 

これからドイツ語の勉強を始める、あるいはドイツ語試験に挑戦する方の参考になれば嬉しいです。

しかしこれは約5年前の経験談です😣
ご自身で最新の情報を確認しながら勉強を進めてください。

 

 

あなたが楽しくドイツ語を勉強して、試験に望めますように。

 

 

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